Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lisez あさひの鎧 (あさひのよろい) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 520 caractères · 475 écrans
右衛門はここで小次郎の方を睨んだ。
「が、わたくしといたしましては、そんなものよりそこにいる男を……」
「右衛門や」
と桂子は云った。
訓すような声であった。
「年を取っても、艱難を経ても、お前の短気と一本気とは、すこしも治らないと見えるねえ」
「性でございます、私の性で」
「小次郎をご覧、浮藻をご覧、年を取ったり艱難を経たら――漢権守の城などで、あんな恐ろしい目に逢わされたら、ああも性質が変わったではないか」
「よい変わりようではございません」
「遠慮深くなり控え目になり、他人の心持ちを推量して、決して我など張ろうとしない、人間らしい人間になったよ」
「無邪気で、あけっぱなしでよく笑った、陽気な性質が陰気になり、いつも何かを不安がっておられる、そういう性質になられました」
「人間らしい人間になったのさ」
「それが人間らしい人間なら、人間らしい人間というもの、厭アな物でございますなア」
右衛門はここで桂子を見詰めた。
「お姫様、あなたも変わられました」
「そうかねえ、どう変わったかしら?」
「人間らしい人間になりました、女らしい女になりました」
「…………」
「以前のお姫様ときたひには、男やら女やら、人間やら魔物やら、悪魔やら神様やらわけわからずにおりながら、大きな強い神聖な、不思議なお力で、わたしたちを心服させておられました。