Classiques japonais avec furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lisez あさひの鎧 (あさひのよろい) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 520 caractères · 475 écrans
た逆賊の走狗の、その差し添えで御胸元を二太刀! ……
「御傷わしや! 皇子様の御身が! ……前征夷大将軍、兵部卿様の宮様が!」
ひしと、御首級を胸に抱いた。
この時、地を踏む木履の音と、咳の音とを立てながら、一人の老僧が近寄って来た。
「おお……これは……南の方様!」
驚いたように老僧は云った。
「御座所より……何しに……このようなところへ!」
それは長老理智光院であった。
南の方は立ち上がり、胸に袖をもって蔽うていた、御首級を無言で差しつけた。
理智光院は最初は解らないかのように、審しそうに眺めたが、急に地上へひざまずいた。
一切を認め識ったのである。
「ハ――ッ」
と深い溜息をもらした。
「勿体なや……何者が※(疑問符感嘆符、1-8-77)」
「左馬頭の家臣渕部義博が」
「堕地獄の輩! やがて天罰が!」
「長老様! ……ご供養を!」
「…………」
長老は力なげに立ち上がり、宮家の御首級を衣の袖で受けた。
二人は静かに藪を巡り、本堂の方へ歩み出した。
と、キリキリと小車輪の軋る、錐を揉むような幽かな音が、木立ちの間から聞こえて来、紫陽花色の暁の微光の中へ、片手に五歳ばかりの女の童の手をひき、片手に不具車の手綱をひいた、女乞食の姿があらわれた。