Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans
親方の芳兵衛か兄弟子の誰かが表具をした、茶掛けの横物によく似た字があった。たしかどこかの坊さんの書いたもので、こんなへたくそな字をどうして掛物になんぞするのか、と思ったことを栄二は覚えていた。あとになって考えればそれはへたなのではなく、その人ならではの風格を備えたものだ、ということがほぼわかったのであるが、いま見るさぶの字にも、その坊さんの字と共通した、一種の味があるように思えた。
「ばかばかしい」やがて栄二は手紙を片づけながら呟いた、「そうだとしたって、いまのおれにゃあ関係のねえこった」
七月は秋であるが、もちろん暦のうえのことで、暑さは真夏よりもきびしかった。大暴風と高波とは、役所の建物と油部屋を残しただけで、三棟の人足長屋、女置場、病人置場、その他の小さな建物、矢来などをみなうち壊し押し流し、南の浜の護岸工事で築いたばかりの石垣も、三分の二は崩されてしまった。そこであと片づけと仮小屋を建てることが同時に始められ、全部の人足がその仕事にかかった。女たちは洗濯や炊事や湯茶を配る役になったから、島の内ではひるまでも、到るところで軽い冗談口や笑い声などが聞えた。