Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans
おすえは強い口ぶりで云った、「だめなもんですか、栄さんはもとのままの栄さんよ、ほかの人はともかく、あたしにはもとのままの栄さんだわ」
「それがそうじゃあねえんだ」
栄二は急にそっぽを向いた。もとのままの自分はもう取り返せない。もとの自分は心も躯もきれいだった。けれども金襴の事があってから、すなおに人が信じられなくなったし、見も知らない女たちと寝て躯もよごれてしまった。人間なんて脆いもんだな、と栄二は思った。ちっぽけな布切一枚のことで、心も躯もこんなに変ってしまう。おれはもう以前のおれじゃあないんだ、と栄二は心の中で云った。
「おすえちゃんがどんな言葉で慰めてくれたって、一旦だめになったおれはもとへ返りゃあしねえ」と彼はそっぽを向いたままで云った、「劬ってくれる気持はうれしいが、おれのことはうっちゃっといてくれ」
「あなたは自分で自分をいじめてるのよ、そんなときがいちばんあぶないんだし、あなたはそのあぶないところにいるのよ、いいえ聞いてちょうだい」とおすえはなお強い調子で続けた、「なまいきなようだけれど、栄さんが綿文の女中部屋で横になっているのを見たとき、あたしすぐに心をきめたの、いまが栄さんにはいちばんあぶないときだ、誰かが側についていてあげなければいけない、さもなければとんでもないことになるって、それであたし