Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
わらわのはんせいがい
妾の半生涯
福田 英子
Lisez 妾の半生涯 (わらわのはんせいがい) de 福田 英子 (ふくだひでこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 64 051 caractères · 122 écrans
小塚氏はなお語を継ぎて、貴女は何にも御存知なき様子、しかし早晩御通知あらん、いずれ明日にも面会に出頭せん、衣類等は如何になりおるや、早速にも間に合うよう相成りおるや否やなど、種々厚き注意をなして、その日はそのまま引き取りたり。妾は寝耳に水の感にて、何か今明日に喜ばしき御沙汰あるに相違なし、とにかくその用意をなし置かんと、髪を梳り置きしに、果して夕刻書物など持ちて典獄の処に出で来るようにと看守の命あり。さてこそと天にも昇る心地にて、控所に伴われ行きしに、典獄署長ら居並びて、謹んで大赦文を読み聞かされたり。なお典獄は威儀厳かに、御身の罪は大赦令によりて全く消除せられたれば、今日より自由の身たるべし。今後は益※(二の字点、1-2-22)国家のために励まれよとの訓言あり。聞くや否や奇怪の感はふと妾の胸に浮び出でぬ。昨日までも今日までも、国賊として使役せられたる身の、一時間内に忠君愛国の人となりて、大赦令の恩典に浴せんとは、さても不思議の有様かな、人生幻の如しとは、そもや誰がいいそめけんと一時はただ茫然たりしが、小塚氏の厚き注意にて、衣類も新調せられたるを着換え、同志六名と共に三重県監獄の表門より、ふり返りがちに旅館に着きぬ。