Classiques japonais avec furigana
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わらわのはんせいがい
妾の半生涯
福田 英子
Lisez 妾の半生涯 (わらわのはんせいがい) de 福田 英子 (ふくだひでこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 64 051 caractères · 122 écrans
第五 既決監
一 監房清潔
二 お政
第五 既決監
一 監房清潔
中の島未決監獄にある事一年有余にして、堀川監獄の既決監に移されぬ。なお未決ながら公判開廷の期の近づきしままに、護送の便宜上客分としてかくは取り斗らわれしなりけり。退っ引きならぬ彼女との別離は来りぬ、事件の進行して罪否いずれにか決する時の近づきしをば、切めてもの心やりにして。堀川にてはある一室の全部を開放して、妾を待てり。中の島未決監よりは、監房また更に清潔にして、部屋というも恥かしからぬほどなり、ここに移れる妾は、ようよう娑婆に近づきたらん心地もしつ。此処にても親しき友は間もなく妾の前に現われぬ、彼らは若き永年囚なりけり。いずれも妾の歓心を得べく、夜ごとに妾の足を撫でさすり、また肩など揉みて及ぶ限りの親切を尽しぬ。妾は親の膝下にありて厳重なる教育を受けし事とて、かかる親しみと愛とを以て遇せらるるごとに、親よりもなお懐かしとの念を禁ぜざるなりき。
二 お政
ここにお政とて大阪監獄きって評判の終身囚ありけり。容姿優れて美しく才気あり万事に敏き性なりければ、誘工の事総てお政ならでは目が開かぬとまでに称えられ、永年の誘工者、伝告者として衆囚より敬い冊かれけるが、彼女もまた妾のここに移りてより、何くれと親しみ寄りつ、読書に疲れたる頃を見斗いては、己が買い入れたる菓子その他の食物を持ち来り、