Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やまびこおとめ

山彦乙女

山本 周五郎

Lisez 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 360 caractères · 251 écrans

Aozora Bunko

冲左衛門は露骨にいやな顔をした。客たちの焼香がすっかり済み、方丈で挨拶をしてからゆくように、なおまた、接待の宴にまにあうように帰れ、と命令するように云った。

そのときは半之助もむっとし、――貴方はいったい誰ですか。と、口まで出かかった。

「しかし云わなくてよかった」

寺から出ると、彼はこう呟いて、思わず独りで微笑した。谷町の本当の目的がどうあろうと、亡父の法要のため、尽力して呉れている、ということは、事実だったから。

「云うべきときはほかにあるさ」

そう独り言を云ったが、なにやら気負っていることに気がついて、半之助は自分でてれてしまった。

山村座は木挽町五丁目にある。歩いて小半刻。少し風立ってきたし、雲がひろがっているのに、気温の高さは少しも変らず、ゆきついたときには、すっかり汗になっていた。

茶屋は三十間堀の河岸に面していた。芝居小屋が本建築になり、桟敷や桝などが出来てから、観客の風俗も変って、一種の社交場、宴席といったふうな感じさえ、あらわれだした。殊に二階の桟敷には、富商の子女や、身分ある武家や、御殿女中なども来て、前には御簾を垂れ、屏風をまわしたりして、きらびやかに、酒もりなどをするさまが、よくみられた。