Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 186 659 caractères · 372 écrans

Aozora Bunko

「余りにも、明らかです。……敗るること明らかなる上は、一日も早く、御降伏遊ばすのが、領民の大幸、お家の安全、また可惜、幾多の人命を失わずともすみますので、万難を冒して、その儀をおすすめに来た次第です」

元親も、暗愚な将ではない。忠兵衛の智略や武辺のたしなみは、老臣中第一の者とは、よく知りぬいている。

しかし、それにせよ、谷忠兵衛の諫言は、元親にとって、慮外なる暴言としか、聞えなかった。

「やい、待て。だまれ、だまりおろう、忠兵衛」

と、憤りを、満面にみなぎらし、時もあろうに、前線の守城を脱けて、のめのめと、自分に降伏をすすめに来たこの一老臣の言を、頭からどなりつけて、完膚なきまで、罵った。

「――見損ったわえ。年こそ寄れ、頼みある者とも思うたればこそ、一ノ宮の要害をあずけおいたに。……まだ籠城も半月か二十日とも経ぬうちに、弱音をふいて、これへ逃げ参ろうとは」

「殿。あいや、殿こそ、ちょっと、お待ち下さい」

「なんだ。何の文句やある」

「いつ、忠兵衛が、弱音をふきましたか。逃げ戻りましたか」

「たわけめが。たった今、元親に降参せいと、申したではないか。それを申しに、汝は、ここに来て居るではないか」