Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 187 841 caractères · 376 écrans
「相違ございませんな」
彦右衛門は、こころの裡で、ふと気づいた。――主君のことばは、そのままではない。半兵衛の変心を案じていっているのではなく、この彦右衛門に対してそれとなく誓わせているのである。
主従とはなったものの、まだ年も浅く、それに、信長の命によって、藤吉郎の手に附けられた彼でもある。
城中の士も大半は、以前、蜂須賀村から連れて来た彦右衛門の手下であったし、藤吉郎もまた、そのむかし少年の頃には、彼のやしきに飼われていた一雇人だった。猿々とのみよばれて、日吉という名すら、誰も呼ばなかった寒々しい鼻たれ小僧だった。
それが、今では。
――と、考えてくると、彦右衛門は自分を家臣として使おうとする人の難しさがよく察しられた。そして、そう心を労わせてはすまないと思うのであった。
陽なたの沈黙がつづく。
小姓の於市と於虎は、主君のうしろで居眠っている。
山鳩が啼く。気だるい。べつにほかに用もないらしい主君の顔つきなので、彦右衛門は退ろうとしかけたが、ふと庭面を見ると樹陰から濃い煙が這っては薄れてゆく。
庭番の者が、朽葉でも焚いているのかと思っていたが、よくよく見ると、炭焼窯を小さくしたような土窯がそこに築かれてある。