Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 187 841 caractères · 376 écrans

Aozora Bunko

これから何年を生きられるか、当然、人間の天寿というものをいつも考えるからである。

一年のうち、三分の一は雪に閉じられる国である。田も生産もその間は遅れ、文化には遠く、新しい武器なども入手するに困難な領土にありながら、人間のもっとも精力的な中年期のほとんどを、可惜、越後の謙信と、十幾年も戦いつぶしてしまった。

「思えば。……今にして思えば、この信玄を、ひとは老巧というが、むしろ岐阜の信長や三河の家康などに、まんまと、欺かれていたにひとしい。あの小国の若輩どもに」

陽は強く若葉の陰は濃い。そのせいか、彼の面にも、彫ったような悔いがあらわれていた。

信玄は、多年、

(関東第一の兵家)

をもってみずから任じて来た。

士馬精鋭と、その特有な国内の経済政策などは、天下のひとも認めているところである。

――にも関わらず、いつのまにか、甲斐は天下の大勢から圏外におかれかかっている。

信長が、いちど京都に出て、その存在をにわかに大きくし始めた去年あたりから、信玄自身も、

「甲州の位置は」

と、あらためて眼界から自身を見直し、そして愕然と、気づいたのであった。

武田家は今も、関東第一の兵家にはちがいない。