Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 187 841 caractères · 376 écrans

Aozora Bunko

久しい長陣に、雄たけびや、馬のいななきのみ聞いていたせいか、甚だ、快いかぎりでござる。……暫時、ここに独坐をおゆるしください。そのうちに、篤と考えておりますれば」

「どう御思案あろうと、長政様へお会いさせ申すことは勿論、ここより先、御本丸のほうへは、一歩もお通しいたさぬぞ」

――それには答えず、

「……む、ウむ。どうもよい音のするものだな。この釜は」

と、藤吉郎は、炉べりへすこし膝をよせて、しきりと感服しながら、とつこうつ眺めていた。

蘆屋であろうか、古天妙の作であろうか、そんなことは、彼の知識のほかである。彼がふと、おもしろく見たのは、古びた鉄肌に浮いている猿の地紋であった。人間か猿か、甚だあいまいな一個の小動物が、木の枝に四肢をささえて、天地のあいだに、傍若無人なその姿態と愛嬌を示しているのである。

――誰かに似ているぞ。

藤吉郎は、おのずからな微苦笑を禁じ得なかった。松下嘉兵衛のやしきを出て、食も宿もなく、山林を逍遥していた時代の自分が――ふと思い出されてきた。

次の間にでもかくれて様子を窺っているのか、もて余して、戸外へ出てしまったのか、三河守はもうそこにいなかった。