Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 192 758 caractères · 383 écrans
「わしをな? ……この勝家を迎えにとな」
勝家は唸きつづけていた。
「まず、御書面を。――御一見くださいませ」
半七郎は、促した。
茫然たる余り、勝家はそれをすら、手にしたまま忘れていた。
「いや、そうか。……ウム、ウム」
何か、わけも分らぬ頷きをくり返した。勝家のひとみは、文字を辿り出すと、なおさら心理の変化を、露骨にまで、顔じゅうに湛え出した。
書面は、秀勝からではない。まぎれなき秀吉の筆だ。そして、率直に、こういっている。
――江北から越前への道すじは、度々、お通りの地で、御不案内はなかろうと存ぜられるが、このたびのみは、養子の秀勝を、御案内にさしむけた。
とるに足らない世間のうわさであるが、わが長浜が、尊公の御帰国の足もとを取るに絶好な要地にあるため、世上とかくの臆測が撒かれておるらしい。そういう卑劣な風説を打ち消すために、養子秀勝を、お迎えに上げたが、これを取って、質子と召され、安心して、御通過をねがいたい。
一夕、長浜で酒茶でもあげたいが、あれ以来、筑前事なお病中にござれば、御道中のおつつがなきのみを、蔭ながら祈り申しておる。
使者のことばといい、またこの書面といい、勝家は自分の猜疑や小心をかえりみずにいられなかった。