Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 176 911 caractères · 353 écrans
母親の膝もとへ、三蔵は黄金を一枚、ぽんと抛ってやった。が、お沢は見もしなかった。かえって眼に涙をため、ひたすら針の眼に、現実の苦労を忘れようとしているように手も休めない。
「取ッときねえってことよ。え、おふくろ。その代り、酒があるだろう。……どこだい、酒は」
片膝を立てかけると、お沢はきびしい眼を初めて息子に向けて、
「おまえ、お仏壇が見えないのか」
といった。
三蔵はセセラ笑って、
「死んだ親父を持ち出す手はねえだろう。親父と来ちゃア、生きているうちだけでも沢山だった。おふくろもばか正直だが、親父も世渡り下手の随一さ。どうにも融通のきかねえ人間だった。――それにひきかえ、この三蔵は、親に似気なき天晴れ者と、きのうも直々、池田入道勝入さまから、お褒めのことばを頂戴し……さ。しかも、今夜のことがうまく行ったら、士分の列に加えてやろうとも仰っしゃった」
何か、大得意であるらしい。他人には極秘だが、おふくろへなら話してもかまうまい。問わず語りに、そういって自慢ばなしに喋舌るのだった。
「世間の奴あ、大垣の青鷺者ッてえと、お城の掃除人夫か、土方人足みたいにばかにするが、同じ青鷺仲間にも、一本差している組と、何も知らねえ日傭い稼ぎのふた色ある。