Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 176 911 caractères · 353 écrans

Aozora Bunko

伊勢方面からの戦況報告の使いだけでも、夕刻までに、三回も着いた。

その書状を見、使いを引いて、直接、情勢を聞き、またことづてを託し、返書をかかせたりしながら、夕飯はたべた。夕飯はほかの侍臣も交えて大書院でたべた。

大書院の一隅に、屏風がある。一双全面にわたり、日本全国の地図が金泥のうえに描かれてあった。秀吉は、それへ眼をやるとふと、

「越後へやった使いは、まだ何の沙汰もないか。――上杉景勝へやった使者どもじゃよ」

と、あたりへ訊ねた。

「まだ、日数にいたしましても」

と、指を繰って、遠国の不便を語ると、秀吉も指を繰って、

「そうか。きょうは十三日だったな」

と、あらためて日を呟いた。

木曾の木曾義昌へも、使いが出してある。常陸の佐竹義重へも数度の密使が通っていた。そのほか地図屏風に見える細長い国の端から端まで、彼の外交網はゆきとどいていた。

秀吉は由来、戦は最後の手段なりとしていた。外交こそ戦であるという信条なのである。故主信長の弔い合戦という名分をかかげ、山崎の一戦に光秀を討ったとき以外はみなそうだった。

だが彼のは、外交のための外交ではない。また、外交あっての軍力でもない。