Classiques japonais avec furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 176 911 caractères · 353 écrans
奇略だし、壮挙ではある。それだけに、危うくもあるぞ」
と、たしなめた。
勝入の武勇も剛胆も、秀吉はよく知っている。しかし、それ以上には、秀吉は買っていない。
ふたりの、小声が、しばらくとぎれた。――と、次部屋のふすまを開け、勝入の嫡子紀伊守が、遠くから、両手をついた。
「父上。……おさしつかえなくば、これまで、ちょっとお立ち越しを」
それより、すこし前。
城中の一室を、病間とし、先ごろから、満身の負傷を治療していた勝入の聟の森武蔵守長可は、
「仙千代。三左をよんでこい。……三左を」
と、日夜、看護にあたっている弟の森仙千代――十六歳の若武者に、しきりに、だだをこねていた。
「兄上。そんなに、お体をうごかすと、また夜になってから、傷口に、熱をもって痛みますぞ」
「よけいなことをいうな。三左をよんで来いと申すのだ」
「だめです、今は」
「なぜ、貴様は、ツベコベ拒むか」
「でも、ただ今は、御本丸へ、秀吉様がお越しになって、紀伊どのも、三左どのも、御前でお話し中だといってるではありませんか」
「だから、筑前どのの帰らぬうちに、三左に、云っておきたいのだ。……よし、そちが取次がんなら、おれが行く」