Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんせい
新生
島崎 藤村
Lisez 新生 (しんせい) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 334 815 caractères · 663 écrans
何だか髭を取ってしまったら、凄味が出て来た」と言って笑うものがあった。「まあどうなすったんですか。ほんとに、吃驚してしまいましたよ。そんなことを言っちゃ悪いけれども、岸本さんは気でも狂ったんじゃないかとそう思いましたよ」と言うものもあった。「惜しいことをした。矢張君には髭が有った方が好い。国へ帰るまでには是非生して行き給え」と言って忠告してくれる人もあった。
「岸本さん、髭が無くなりましたね。何かそれには意味が有るんですか」
同じ旅館に泊っている留学生が小旅行から戻って来て、それを岸本に尋ねた。この人は慶応出で岸本から見るとずっと年少ではあったが、何かにつけて彼の力になってくれた。
「昔、岸本さんは坊主にお成んなすったとか――」と復たその留学生が男らしい眉をあげて、岸本の方を強く見て言った。「何かそれと同じような意味でもあるんですかね」
さすがに、この人の言うことは鋭かった。岸本は返事に窮って、
「自分の髪の白くなったのは鏡にでも向わなければ分りませんが、髭の白いのは見えて、心細くて仕様がありません。もう一度書生の昔に復ろう。そう思って、君の留守に剃ってしまいましたよ――」