Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans
(どうしたらよかろう?)
と途方に迷った。
と、その時洞の外から、
「また変な奴がやって来たぞ!」
「さっきの奴とは違うようだ!」
「一人は侍で一人は女だ!」
と、そういう声が聞こえて来た。
三十郎は不意に立ち上がった。
どうせ菊女はこっちのものだ。性急に退治る必要はない。
宥免状はこっちにある。
宥免状欲しさに何んの菊女は、ここから逃げて行くものか。
変な男女が来たという。
ここの様子を見に来たのかもしれない。
何者であるか不安である。
何者か確めてやらなければならない。
――こう思って立ち上がったのであった。
三十郎は洞外へ出た。
菊女は急場の難を遁がれ、ホッとばかりに安心したが、
(さてこれからどうしたものだろう?)
と、途方にくれざるを得なかった。
宥免状を発見した三十郎は、それを囮にこの後もしばしば、この身の貞操を奪おうと、迫って来るに相違ない。
そうして恐らくその宥免状は、人形の胸などへは入れて置かないで、自身持っているに相違ない。
ではとうてい取ることは出来ない。
(いっそともかくもここを遁がれ、この島にはどうやら住民以外、内地の人もいるらしいから、その人の処へ訪ねて行き、内地へ渡して貰うことにしよう)