Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans

Aozora Bunko

「キヘン? キヘン? キヘンって何?」

「『木』さえお忘れでございますか。これはどうも困ったことで。こう書くのがキヘンでございます」

嘉門はそれを書いてみせた。

「ああそうかい、ソレ書いたよ」

しかし萩丸の書いた文字は「木」ではなくて「手」であった。

「それは『手』でございます。キヘンはこうでございます」

嘉門は「木」を書いてみせた。

「ああそうかい、何んでもないんだねえ」

そう云って萩丸は「木」を書いたが、今度は旁を目茶目茶に書き、けっきょく「様」という字は書けなかった。

(これはどうにも始末がわるい)

嘉門は嘆息してしまった。

萩丸が以前書いたところの、宥免状を入れた人形が、箱ぐるみ紛失してしまった。

その宥免状は手にはいるまい。

仕方がないから萩丸をして、もう一通宥免状を書かせようと、こう考えて書かせにかかった。

ところが萩丸は痴呆になってしまって、文字をほとんど忘れてしまった。

で、あらためて習字させて、それを書かせようとしたのであったが、その結果はこのありさまなのであった。

今夜はじめての試みではなく、とうからやっていることなのであったが、いつもいつも失敗するのであった。