Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いしかりがわ

石狩川

本庄 陸男

Lisez 石狩川 (いしかりがわ) de 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 253 535 caractères · 506 écrans

Aozora Bunko

お内儀さんの云うことを単純に信じて来た彼は屈托なげに云った。

「風邪をひいたそうだ、生き身だからね――」

「風邪?――」と阿賀妻は咎めるように云った。眉根をしかめてしげしげと松岡を見つめていた。

それに気づくと彼もまただんだん暗い顔になって来た。なぜということもなく、そうだ――と頷くものがあった。その疑惑に、さらに――そうだ! と頷きかえして、彼は阿賀妻に、元気な声でいった。

「ご心配下さいますな、仕事の方は何とか片づけておきます、棟梁も、まアそれは、お前がいるので安心しておると、床のなかでそう云いましたが」

「それは勿論――ただ、この季節じゃ」と阿賀妻はうすく笑った。

彼は門田与太郎を見やった。そこで門田は横に立った同僚に向いて云った。

「ほんとの風邪だろうか?」

「ではもう一度見てまいりますでございます、あるいは?――」

この態度は大工の長さんではなかった。阿賀妻は何か考えることがあるようにそれをおしとどめた。

それはあの、犯人のない反抗の一種であった。誰がしたともわからない嫌がらせであった。次の日から注意ぶかく作事場を見まわった。それでもいつとはなしに鋸が見えなくなっているのだ。