Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いしかりがわ

石狩川

本庄 陸男

Lisez 石狩川 (いしかりがわ) de 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 253 535 caractères · 506 écrans

Aozora Bunko

三

阿賀妻は砂を蹴立てた。気を立てた女が云い辷らした言葉とは云え、人々の心が白々しく見えて来るのだ。

「はい」と彼女は唇をかんだ。

「玉目三郎どのは、な――」と彼は云った、「おてまえの夫でござろう、われらを裏切るような人物ではありません、そのことは、殿よりも篤とおはなしがあった筈じゃが」

「ございました――けれど」

「今日まで帰って来られぬのは、あの出水に無理をなされて、思いがけない――」

女は突然、跳びあがって叫んだ。

「それではどうしても死んだのでございますか、あの、水におぼれて?――あたくしの玉目が? 水におぼれて」

顔をおさえて彼女は走った。その姿が彼らの聚落の草やぶに消えてしまうまで彼は見送った。いずれにせよ、彼女は、とにかく生きていて貰いたかったのだ。それだけであった。

三

目をひるがえすと、青い海のなかまでそのイシカリ川がのさばっている。年中澄むこともなく泥土に汚れている水は、先日来の氾濫のなごりを見せて一層重々しく濁り、一層猛々しく押しだして行った。海水とは容易に混ろうとしない。はっきりけじめをつけた異質の水は、当分のあいだ、海の中にその川を描きわけて見せる。