Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いしかりがわ

石狩川

本庄 陸男

Lisez 石狩川 (いしかりがわ) de 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 253 535 caractères · 506 écrans

Aozora Bunko

七

「それにしても、われらの主君を開拓使の貫属とはなにごとでござる」

「うん」

「玉目三郎を死におもむかせたとは申されぬ、高倉利吉どのに詰腹切らせてやったとは申されぬ――」

「それで?」

阿賀妻は冷たい眼でそう受け止めた。善意が悪意にとられるならば、その結論はたった一つだ。斬るか斬られるかだ。

「なんと」とその藩士は立ちあがった。

ふりかかった火の粉は払わねばならなかった。阿賀妻も腰をあげた。

しかし、彼らの仲間が押えたのだ。控えさせていた。ながい論議のうちに、目障りで堪らぬと思っていた阿賀妻に対する考えに、ひびがはいった。彼らは、お互いの気持がばらばらになっているのに気づいた。だから、いきり立っていた吉原兵太郎はのけぞるほどひき戻された。中途はんぱな白けた座になった。これは何事も解決していない。

七

あとあじの悪いものであった。

何ひとつ割りきれていないのに、割り切ろうとする情熱が消えてしまった。突然のことであった。ふいに彼らは真空のなかにおかれたようなうつろを感じた。ぼんやり虚脱されていた。

阿賀妻は何ということなしに立ちあがった。すると藩士らは彼の前にひとりでに途をひらくのであった。