Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
Lisez 石狩川 (いしかりがわ) de 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 253 535 caractères · 506 écrans
「ご祐筆がおられるのはもっけの倖い、一筆書き入れて頂きましょうか?」
「何を?」
「われらがこの地のあるじとなった抑々の日の日附け」
相田清祐は白い眉毛をびくり動かして、そして断ずる口調で云った。
「それは貴殿が書かねばならぬ――さア」
矢立をひらいて筆とともにつきつけた。
大野順平は黙礼してそれを受け取った。筆の穂を墨つぼにたっぷりひたして、幾らか毳ばだった標木の前に突き膝をした。淋漓たる思いをこめて彼は書いたのだ。
「明治四辛未歳五月二十八日建之」
空には秋の風が鳴っていた。その日は陰暦の八月一日であった。彼らの先導者がこの土地を得た五月の日から、野山をきりひらいてこの土地に辿りつくまで、いかに険阻未踏とは云え、里程にすれば五里と七町を歩くのにざッと三カ月を費していた。これは、郷里サブザワの港を立って西蝦夷のシップに着いた日数よりももっと長かったのだ。痩せた土地に絶望した、その絶望の延長にあった。いかにも遠かった。いかにも重かった、それにも拘らず彼らは来てしまった。すると新たな希望がむくむくと湧いた。
「連絡係りのものは居らんか」
その隊長である相田清祐は赭ら顔をかがやかして叫んだ。