Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
Lisez 石狩川 (いしかりがわ) de 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 253 535 caractères · 506 écrans
冷たい空気が眼にしみた。
うす黒い切株のようなものが動いて来ておだやかな声で挨拶した。
「お早うございます、ようやく明けてまいりました」
従僕であった。彼のうしろには相田清祐がいた。頭髪がほの白く、そこだけいち早く朝の光りを受けていた。
「トウベツの連中は待ち兼ねておりましょうぞ、今日が待ちこがれた開通式でござる故、無理もないことじゃが、おかげで空も秋晴れのすがすがしさ――おめでたいことでございます」
「おめでたいことでございます」
おうむ返しにそう云って阿賀妻はそこの切株に腰をおろしてしまった。東の空に向って彼は刻々に明けて行く原野をぼんやり眺めていた。明るみかけると、まことに時の勢いは抑えるすべもない。うす紫の原野には高低があらわれ、樹林が見わけられて来た。人間の営みは、二百年、三百年の仕来りといえども時が来れば余りに脆くくずれるものであった。商埠地のオダル港に出て彼は廃藩のうわさを聞いた。イシカリ役所に立ちよって、見知りの役人にわざわざそれを確かめた。そして、その噂は決定的な事実となった。それにしても、彼はシップに辿りつくまではまだ半信半疑であった。