Classiques japonais avec furigana
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いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
Lisez 石狩川 (いしかりがわ) de 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 253 535 caractères · 506 écrans
唐突なほど真面目くさっていた。鎮守の小祠である。
「ご老体――」と、邦夷はそれを見てそう云って、めずらしく、うすい唇の隅に微笑を浮べていた。
「はい」ともとの祐筆は鼻ごえをだした。
「よく気がつかれました」
「はい、はア――いや、なに」と彼もふと笑いだした。老人はこのことを忘れたことは無かったのだ。だが、そんな風に云われると、若い、伜のような主君との間にある年齢のひらきに気がつくのだ。
いかにもこれは年寄りじみた考えかも知れない。けれども、この小祠に勧請した六柱の神々こそが、今日の祝宴の正座におかれてこそもっとも相応しいと考えられた。天照皇大神を中心にして、穀菽の守護神である倉稲魂神、林野の守護神である大山祗神、勇武征戦の守護として志波彦大神、建御雷神、経津主神を奉斎したのであった。潰えた家臣の一団が、彼らの決意と信念をこの神々に象徴したというべきであろう。いや、一旦斎いてしまうや否や、神がそこにあって彼らを支配しているのであった。――底には廃仏毀釈の思想も流れていた。革新にむすびついた復古の思想が行きつくところまで行きついて、行きすぎた時代でもあった。