Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
Lisez 石狩川 (いしかりがわ) de 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 253 535 caractères · 506 écrans
右手に持った差料をぼんやり左手に持ちかえていた。家臣たちの緊張も目にとまらなかったらしい。彼はゆっくりと、自分の心に浮んだ考えを追うように口を切った。
「判官とかいうものは、どだい、いかなるものか?」
「は!」と阿賀妻はなぜかまッ赤になっていた。
「どこのものか?」
「は!」
「そういう名は、ついぞ聞いたことも無かったが――」
うすい唇の両端をびッと引きさげて、ぼんの窪がびくりとふるえたのだ。日頃いだいていた成り上りの支配者に対する冷笑が、見えないほど迅く通りぬけた。
「そのものと会うことによって解決するというならば、それでは、一日も早いがよかろう、そうじゃろうが」
阿賀妻は身を揉むようにして膝をのりだした。だんだん蒼ざめて来た。深い眼窩のなかで濡れた眼がぎらついていた。彼はしわがれた声で叫んだ。
「成らさずには置きませぬ」
この時の主従の気持はひどくちぐはぐなものであった。問題は一にかかって、移住の資金貸付に関する交渉にあった。それがうまく行けば一切は水に流されてしまう。しかし、もしこじれたならばそのときはどうなるか? 計画の挫折だけではなかった。何百年来ささえて来た一城のあるじたる大名の面目が、そこで丸つぶれになるだろう。