Classiques japonais avec furigana
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いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
Lisez 石狩川 (いしかりがわ) de 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 253 535 caractères · 506 écrans
堀は手をついて片足ずつ起ちあがった。役人どもがその後に蹤いた。
みごとに置き去りを喰った。
「甚助!」と阿賀妻は舌打ちして従僕を呼んだ。
彼は壁の下にへばり着いていたのだ。
「敗けた」阿賀妻は大きな声で云って立ちあがった、「さア、今日は帰ろう」
彼は一歩しきいの外に踏みだした。そこで先刻の役人の一人に出会った。
「阿賀妻さん」
小柄な会計課員は懐しそうに声をかけた。
「身ども米村敬次――ご存じありませんでしょうか」
「どうも、一向に」
「な、南部のものです、――」と彼はちょっと吃って云った、「あの日拙者は、深くも考えず、乃父とともにあなたのお屋敷に乗りこみました、申わけないことをいたしました、ただ今久しぶりに、思わぬところでお顔を拝見いたし、そぞろ、そのウ、懐旧の情にたえませぬ、――さきほどのお話、拙者、及ばずながら、ご尽力いたしたい、お許し下さるか」
ふいに甚助が鼻をすすりあげた。
第五章
一
「これでおしまいか」
「は?――」と立ちどまって、デッキに捉りながら大沼喜三郎は目をあげた。「おお、あなたは、阿賀妻さん! いかにもこれでおしまいでございますよ」
彼は人々のしんがりに乗りこんで来たのだ。