Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 136 062 caractères · 276 écrans

Aozora Bunko

二

二

「八、お前は不思議だとは思わないか」

利助の家へ引揚げると、平次はいきなりこんな事を言い出します。

「何が不思議なんで、親分?」

「今まで誘拐された女の身許を十五六軒も当ってみたが、一人も藻掻いたのがねえ」

「…………」

「皆んな気を揃えて、素直にさらわれているのはどうしたわけだ。二三十人のうち、一人でもいいから悲鳴をあげたのがあるとか、血を流したのがあると張合があるが、そっと消えてなくなったんじゃ、探す方も励みがねえ」

「…………」

「駆落でないことは確かだ、さらわれた娘と、何かと評判のあった男が皆んな指をくわえて取残されているんだから」

「親分」

不意にお品が口を出しました。一時は銭形平次と張合った御用聞、石原の利助の一人娘で、親の利助が身体を痛めてから、残された子分どもを号令して、まだ若くも美しくもある癖に、江戸中の御用聞と肩を並べて、一歩も退けを取らぬ娘――だったのです。

「何だえ、お品さん」

「こんな事は、親分はとうに御存じでしょうが」

「いや、存外気が付かずにいるかも知れねえよ」

「さらわれた娘やお神さんは、皆んなその日の物に困るような人達ばかりじゃありませんか」