Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 136 062 caractères · 276 écrans
六
「その疑いが親方にも懸っているのだよ」
平次はズバリと言って退けました。
「ご、御冗談で、親分さん、私は素人衆の女なんかは、飽き飽きしております。そ、そんな馬鹿なことがあるわけはございません。第一この通りの狭い家で、お嬢さんをさらったところで隠しておく場所もない有様で」
半七郎は蒼くなってしまいました。こんな疑いを掛けられてはたまらぬと思ったのでしょう。急に恐ろしい達弁になって、ベラベラと喋舌ります。
「お藤は、お前さんをどう思っていたんだ」
「それが、その、あんな気の知れないお嬢さんはありません。舞台姿を見てやいのやいの言ったくせに、半年も経たないうちに厭気がさしたようで、どんなに呼出しをかけても、二度とここへはいらっしゃいません」
六
平次とガラッ八は、その足を両国に伸して、古川一座の軽業手品を見物しておりました。お藤の関係した甚三郎というのは、曲毬の名人で、綱渡り、玉乗り、なんでも一と通りはいける、一座の花形です。
年の頃二十七八、青髯の跡の凄まじい、こんな社会によくある精悍な顔をした男で、いかにも、浮気なお藤に注目されそうな人間でした。
一とわたり芸を見て、楽屋へ入ると、