Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 136 062 caractères · 276 écrans

Aozora Bunko

を刳って逃げ失せたのです。

騒ぎは一刻も経たぬうちに、巣鴨中を煮えくり返らせました。名主五人組が立会って検屍を受け、土地の御用聞大塚の重三が、委細呑込んで探索にかかりましたが、そこに居合せた銭形の平次の器量の悪さというものはありません。

三好屋の隠居を殺したのも、植惣の主人を刺したのも、同じ匕首らしく、ただ一と突きで急所を誤らなかったのは、何といっても恐ろしい手際です。

たった一つの手掛りというのは、植惣の庭に落ちていた帛紗で、これはお紋の家から、短刀を包んで盗み出した品ですから、植惣の曲者は、お紋の家を襲った曲者、すなわち幻の民五郎に間違いありません。

平次が曲者を追いかけた時、手に残ったのは少し羊羹色になった羽二重の羽織で、紋は、丸に鷹の羽の打っ違い、ざらにある紋ですが、――高木家の定紋もこれと同じもの――と、お紋はそっと平次に囁きました。

「親分、大変な事が始まったんだね」

「お、八か」

「銭形の親分が幻の民五郎に嘗められたって巣鴨中の評判だぜ。俺は口惜しくって、口惜しくって先刻から、そんな事を言う野郎を、二三人殴り飛ばしてやったが――」

「何て事をするのだ」