Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 136 062 caractères · 276 écrans

Aozora Bunko

三

「あの小僧さんか、――それじゃ満更嘘じゃあるめえ。八、戸を開けてやるがいい」

「ヘエ――」

三

大徳屋は煮えくり返る騒ぎでした。棺の中に納められて、ろくに線香をあげる人もない心細い有様であったにしても、とにかく一度は確かに死んだはずの主人孫右衛門が、平常着のまま、仏間の後ろの暗い廊下で、後ろから匕首で、左貝殻骨の下を縫われ、紅に染んで死んでいたのです。

見付けたのは小僧の勘次、十七になったばかりの生真面目さで、こればかりは酒も呑まず、遺産争いの渦巻へも入らず、うら淋しく人目を避けていると、仏間の後ろから、ただならぬ悲鳴、驚いて飛んで行った真ッ暗な廊下で、バタリと人に突当りましたが、その袖の下を掻潜るように五六間来ると、ちょうど唐紙の隙間から漏れる灯の中に主人の孫右衛門、血潮の中に断末魔の蠢きを続けていたのでした。

勘次の声に、お祭騒ぎも、遺産争いも、一瞬にして吹き飛ばされました。家の中を吹き捲るのは、新しい不気味な嵐、あまりの事に、腰を抜かすもの、鮒のように口を動かすもの、一所懸命這い出そうとするもの、しばらくは無言の混乱が続くばかり、新しい死骸に近づこうとする者がないばかりでなく、棺の中に納めたはずの、主人の元の死骸を確かめようとする者もありません。