Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ゆきぐにのはる

雪国の春

柳田 国男

Lisez 雪国の春 (ゆきぐにのはる) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 136 000 caractères · 266 écrans

Aozora Bunko

たに相違ない。幸いにして地味は豊かに肥え、労少なくして所得はもとの地にまさり、山野の楽しみも夏は故郷よりも多く、妻子眷属とともにいれば、再び窮屈な以前の群れに、帰って行こうという考えも起こらなかったであろうが、秋のあわただしく暮れ春の来ることのおそいのには、定めてしばらくの間は大きな迷惑をしたことと思う。十和田などは自分が訪ねてみた五月末に、雪を分けてわずかに一本の山桜が咲こうとしていた。越中の袴腰峠、黒部山の原始林の中では、ともに六月初めの雨の日に、まだ融けきらぬ残雪が塵をかぶって、路の傍に堆く積んでいた。旧三月の雛の節句には、桃の花はなくとも田の泥が顔を出していると、奥在所の村民は来てみてこれを羨んだ。春の彼岸の墓参りなどにも、心当りの雪を掻きのけて、わずかな窪みを作って香花を供えて帰るという話が、越後南魚沼の町方でも語られている。あの世に行って住む者にも寂しいであろうが、この世同士の親類朋友の間でも、たいていの交通は春なかばまで猶予せられ、他国に旅する者の帰ってこぬことにきまっているはもちろん、相互いに燈の火を望みうるほどの近隣りでも、無事に住んでいることが確かなかぎりは、訪い訪われることが自然に稀れであった。