Classiques japonais avec furigana
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ゆきぐにのはる
雪国の春
柳田 国男
Lisez 雪国の春 (ゆきぐにのはる) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 136 000 caractères · 266 écrans
四
こうして若い人ばかりの注意を引き付けようとする外に、自分がまず緑の圧迫に堪えなかったから、何とかして彩ってみる気になるのかもしれぬ。それが無意識ながら広い天然と調和して、夏の寂しさを柔らげ、また女性を欠くべからざるものにしたかと思う。
数年前に私があるいたころは、外南部などには白い布の流行が認められた。夏の花の多くは小さいのに比べると、これは大きく動くから印象は深かったが、それでも山吹や鮮かな藤色のような、快活さはやや減少するように感じた。すなわちあまりにひとりひとりの空想が自由になることも、土地のためには幸福でないように考えられるのである。
四
自然はもちろん人が愛玩するために設けられたものでない。南北極地の雪の野が、永久に真白で一つの斑点もないごとく、ニューギニアの島などの緑樹海は、今なお完全にわれわれに閉ざされている。しかし人間は求めざればやまぬ。ウォレェス博士の『馬来多島海記』の中には、幾度となく花がない、鳥や蝶があまりに少ないと歎息している。奥羽を愛する旅人が、かの単調の緑の涼しさだけに、満足しえないのも理由があると思う。
(昭和二年六月「週刊朝日」