Classiques japonais avec furigana
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ゆきぐにのはる
雪国の春
柳田 国男
Lisez 雪国の春 (ゆきぐにのはる) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 136 000 caractères · 266 écrans
三
偶然に長く繋がるのを田が広いといって、その年豊作の兆として喜んだとある。餅焼きというのももとは年占であったろうが、もうこのころからこれを縁結びの戯れに応用している。餅を小さく切って男女を定め、それを炉の片脇に並べておくと、焼けてふくれていつとなく近づくのを、それ男が寄ってきたとかこれは女の方から手を出したとかいって、娘たちが笑いどよめいたと書いてある。焼餅を焼くという語が嫉妬を意味するのも、たぶんは昔行われたこの遊戯がもとであろう。
三
この天明五年は真澄が一生の中でも、最も多く旅行した年であった。四月も終りに近く野は霞み郭公のしきりに鳴くころに、彼は雄勝の詞友たちと別れて、川岸伝いに北をさして旅立った。夏はおそらく久保田の城下にいたろうと思うが、その日記もまだ出てこない。「外が浜風」「けふのせば布」の二書は、この八月初めから二ヶ月の旅中記であるが、彼はその間に津軽を一巡し、再び引っ返して北秋田鹿角から、嶺を東に越えて北上川の岸を、江刺郡の岩谷堂の近くまで下っている。これはわが旅人の鋭気の盛り、北の世の中の極端に悪いころであって、いろいろと心を動かす話があるのだが省略する。