Classiques japonais avec furigana
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ゆきぐにのはる
雪国の春
柳田 国男
Lisez 雪国の春 (ゆきぐにのはる) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 136 000 caractères · 266 écrans
そうしてこのいわゆる作金者は、作業の性質から五人、七人の小さな群れをなして、遠近の山野を回って原料を求め、また泉ある所に仮屋を建てて、ある期間その見なれぬ工芸を人に見せていた。カネはたぶんカナシという語と語原が一つで、英語の dear などと同じ意味をもっていたのかと思う。技術上の門外漢たちが目を丸くして、最初の金属の出現を見物した光景は、この一語からでもこれを想像することができる。しこうして炭はまさしくその記念物として金屋の去った跡に残さるべきものであった。
すなわち物は真黒で無風流であろうとも、非常に高尚なる連想を伴のうたものであった。手短にいえば新文化であった。筆者などの少年のころに、家の前の村路が国道になって、毎日々々牛車に石炭を積み、但馬の生野の官営銀山に運んで行く時代があった。私の在所では石炭のことをゴヘダと呼んでいた。そのゴヘダの黒く光った小破片を、牛車の過ぎた跡から拾ってきて、試みに火にくべてみた者も多かった。そうしてあの香気を非常に意味あるもの、なにか欧米の文物に交渉あるもののごとくに感じた人も自分のみではなかったのである。旅の鋳物師らがきて焼いた炭には、格別異な臭いもなかったろうけれども、その代わりには彼らの歌、彼らの物語は永く耳に残った。