Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Lisez 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 296 741 caractères · 584 écrans
「遂々、事件の波動がこの図書室にも及んできましたよ。最近この潜り戸を通った人物を御記憶でしょうか」
「マア、そんな事ですか。では、この一週間ほどのあいだダンネベルグ様ばかりと申し上げたら」と鎮子の答弁は、この場合詐弁としか思われなかったほどに意外なものだった。「あの方は何かお知りになりたいものがあったと見えて、この未整理庫の中を頻りと捜してお出でのようでございましたが」
「昨夜はどうなんです?」と熊城は、たまりかねたような声で云った。
「それが、生憎とダンネベルグ様のお附添で、図書室に鍵を下すのを迂闊してしまいました」と無雑作に答えて、それから鎮子は、法水に皮肉な微笑を送った。「つきましては貴方に、賢者の石をお贈りしたいと思うのですが、クニッパーの『生理的筆蹟学』ではいかがでございましょう?」
「いや、かえって欲しいのはマーローの『ファウスト博士の悲史』なんですよ」と法水が挙げたその一冊の名は、呪文の本質を知らない相手の冷笑を弾き返すに十分だったが、なおそれ以外に、ロスコフの「Volksbuchの研究」(ファウスト伝説の原本と称されている)、バルトの「ヒステリー性睡眠状態に就いて」