Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

Lisez 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 296 741 caractères · 584 écrans

Aozora Bunko

の前方に正面を張って並んでいる、二基の中世甲冑武者だった。いずれも手に旌旗の旆棒を握っていて、尖頭から垂れている二様の綴織が、画面の上方で密着していた。その右手のものは、クェーカー宗徒の服装をした英蘭土地主が所領地図を拡げ、手に図面用の英町尺を持っている構図であって、左手のものには、羅馬教会の弥撒が描かれてあった。その二つとも、上流家庭にはありきたりな、富貴と信仰の表徴にすぎないのであるから、恐らく法水は看過すると思いのほか、かえって召使を招き寄せて訊ねた。

「この甲冑武者は、いつもここにあるのかね」

「どういたしまして、昨夜からでございます。七時前には階段の両裾に置いてありましたものが、八時過ぎにはここまで飛び上っておりました。いったい、誰がいたしましたものか?」

「そうだろう。モンテスパン侯爵夫人のクラーニイ荘を見れば判る。階段の両裾に置くのが定法だからね」と法水はアッサリ頷いて、それから検事に、「支倉君、試しに持ち上げて見給え。どうだね、割合軽いだろう。勿論実用になるものじゃないさ。甲冑も、十六世紀以来のものは全然装飾物なんだよ。それも、路易朝に入ると肉彫の技巧が繊細になって、厚みが要求され、終いには、着ては歩けないほどの重さになってしまったものだ。