Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

Lisez 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 296 741 caractères · 584 écrans

Aozora Bunko

「ところで田郷さん、昨夜の七時前後と云えば、ちょうど傭人達の食事時間に当っていたそうですし、また拱廊で、兜が置き換えられた頃合にも符合するのですが、とにかくその前後に、大階段の両裾にあった二基の中世甲冑武者が、階段を一足跳びに上ってしまい、『腑分図』の前方に立ち塞がっていたのです。しかし、たったその一事だけで、津多子夫人の死体が古代時計室の中に証明されるのですがね。サァ論より証拠、今度はあの鋼鉄扉を開いて頂きましょうか」

それから、古代時計室に行くまでの暗い廊下が、どんなに長いことだったか。恐らく、窓を激しく揺する風も雪も、彼等の耳には入らなかったであろう。熱病患者のような充血した眼をしていて、上体のみが徒らに前へ出て、体躯のあらゆる節度を失いきっている三人にとると、沈着をきわめた法水の歩行が、いかにももどかしかったに違いない。やがて最初の鉄柵扉が左右に押し開かれ、漆で澄みわたった黒鏡のように輝いている鋼鉄扉の前に立つと、真斎は身体を跼めて、取り出した鍵で、右扉の把手の下にある鉄製の函を明け、その中の文字盤を廻しはじめた。右に左に、そうしてまた右に捻ると、微かに閂止の外れる音がした。