Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

Lisez 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 296 741 caractères · 584 écrans

Aozora Bunko

しかし、一同が座に着くと、まず博士が興なげな調子で切り出した。

「いったいどうしたと云うんです。法水さん。いまに誰もかも、元素に還されてしまうのじゃないでしょうか。いったい、犯人は誰ですかな。家内は、その影像を見なかったと云ってますよ」

「さよう、まったく神秘的な事件です」と法水は伸ばした肢を縮めて、片肱を卓上に置いた。「ですから、指紋が取れようが糸が切れていようが、とうてい駄目なのです。要するに、あの底深い大観を闡明せずには、事件の解決が不可能なのですよ。つまり、臨検家が幻想家となる時機にですな」

「いや、元来儂は、そういう哲学問答が不得意でしてな」と警戒気味に、博士は眼を瞬いて法水を見た。そして、「しかし、貴方はいま、糸と云われましたね。ハハハハ、それが何か令状と関係がおありですかな。法水さん、儂はこのままで凝っと、法律の威力を傍観していたいですよ」と早くも遺言書の開封に、不同意らしい意向を洩らすのだった。

「そりゃ云うまでもありません。家宅捜索令状などは、どこにも持っちゃいませんよ。だが、一人の辞職だけで済むものなら、たぶん僕等は法律も破りかねないでしょう」