Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

Lisez 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 296 741 caractères · 584 écrans

Aozora Bunko

それぞれの頭の中では、各人各種の思念が渦のように巻き揺いでいた。検事と熊城には、事件の開展が期待され、また、旗太郎はその開封に、何か自分の不利を一挙に覆すようなものを、待設けているかのごとくであった。間もなく、二人の姿が再び現われて、法水の手に一葉の大型封筒が握られていた。ところが、環視の中で封を切り、内容を一瞥すると同時に、法水の顔には痛々しい失望の色が現われた。ああ、ここにもまた、希望の一つが虧け落ちてしまったのだ。それには、いっこうに他奇もない、次の数項が認められてあるのみだった。

一、遺産は、旗太郎並びにグレーテ・ダンネベルグ以下の四人に対し、均等に配分するものとす。

二、なお、すでに当館永守的な戒語である――館の地域以外への外出・恋愛・結婚、並びに、この一書の内容を口外したるものは、ただちにその権利を剥奪さるるものとす。ただし、その失いたる部分は、それを按分に分割して、他に均霑さるるものなり。

以上は、口頭にても各々に伝え置きたり。

旗太郎にも、同様落胆したらしい素振が現われたけれども、さすがに年少の彼は、すぐに両手を大きく拡げて喜悦の色を燃やせた。