Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Lisez 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 296 741 caractères · 584 écrans
ああ算哲の生存――。たしか、この事件の初夜には、地下の墓※から立ち上って来たに相違ない――。それが法水さん、まだ現われていない地精よ、いそしめ――に、つまり、あの五芒星呪文の四番目に当るのではないでしょうかな。なるほど、儂等の眼には見えなかったでしょう。けれども、あの札は既に水精以前――つまり、この恐怖悲劇では、知らぬ間に序幕へ現われてしまったのですよ」と顔一面に絶望したような、笑いともつかぬものが転げ廻るのだった。その興味あるレヴェズの解釈には、法水も率直に頷いたけれども、彼はしだいに言葉の調子を高めていった。
「ところがレヴェズさん、僕は遺言書と不可分の関係にある、もう一つの動機を発見したのでした。それは、算哲が残した禁制の一つ――恋愛の心理なのです」
「なに、恋愛……」レヴェズは微かに戦いたけれども、「いや、いつもの貴方なら、それを恋愛的欲求とでも云うところでしょうな」と相手を憎々しげに見据えて云い返すのだった。それに、法水は冷笑を泛べて、
「なるほど……。でも、貴方のように恋愛的欲求などと云うと、ますますその一語に、刑法的意義が加わってくる訳ですな。