Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

Lisez 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 296 741 caractères · 584 écrans

Aozora Bunko

その凝視は、法水に切り出す機会を失わせたばかりでなく、検事と熊城には、一種の恐怖さえももたらせてきた。やがて、彼女の方から、切れぎれな、しかも威圧するような調子で云い出した。

「ああ、判りましたわ。貴方がこの室にお出でになったという理由が……。ねえ、たぶんあれなんでしょう。いつかの晩、私はダンネベルグ様のお側におりましたわね。またその後惨事が起るその都度にも、私は一度だって、この図書室から離れていたことはございませんでした。ねえ法水さん、いつかは貴方が、その逆説的効果に、お気づきなさらずにはいまいと考えておりましたわ」

その間、法水の眼が一秒ごとに光を増して、相手の意識を刺し通すような気がした。彼は身体を捻じ向けて、ちょっと微笑みかけたが、それは中途で消えてしまった。

「いやけっして、そんな甘い插話ではないのです。僕は貴女の所へ、これを最後と思って来たのですよ。ところで、八木沢さん……」と――八木沢という姓を法水が口にすると、それと同時に、鎮子の全身に名状すべからざる動揺が起った。法水は追及した。「たしか貴女のお父上八木沢医学博士は、明治二十一年に、頭蓋鱗様部及び顳窩畸形者の犯罪素質遺伝説を唱えましたね。