Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lisez あさひの鎧 (あさひのよろい) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 520 caractères · 475 écrans

Aozora Bunko

流浪の人々

そういう桂子の身の上だのに、どうして小次郎などを恋し出したのだろう?

これが浮藻には不思議なのであった。

黒髪から水を絞り絞り、浮藻は尚も歌いつづけた。

月がかくれて鳥啼めきやめば

船もかくれて櫂の音ばかり

行きし恋人帰り来ずに

来ませと呼ばう声のみ残り……

「コワイみたいなものだ」

と云いながら、周囲に集まっている仲間の者を、ニヤニヤ笑って見廻したのは、道楽のあげく悪疾を受けて、鼻と片眼とを失ったらしい、三十がらみの乞食であった。

「ウッフッフッ、悪かアねえ」

乞食と同じように木の間から、女たちの水浴を覗き見ていた、浪人くずれらしい男が云った。

流浪の人々

三人の女の水浴を見ながら、話し合っている人間は、男女とりまぜ八人であった。

世の廃人、社会の落伍者、いわゆる流浪の人々であった。

どこかしら彼らは不具であった。

片手ないもの片足ないもの、両耳を剃って落とされたもの、鼻や唇の欠けたもの。……

病気でそうなったものもあれば、刑罰によってそうされた者もあった。

その中に一人長方形の白布を、額からかけて頤の下までかけ、顔をかくしている若い女があった。

癩病患者ででもあるのであろうか?