Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lisez あさひの鎧 (あさひのよろい) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 520 caractères · 475 écrans

Aozora Bunko

(あの燈火の見えるあそこのお家に、乳の出る人がいてくれればよいが)

このことが早瀬には重大問題であった。

(わたしも何かいただいて、少しでも腹をくちくしたいものだ)

彼女は道をいそぎ出した。

と、またも行く手から、人の歩いて来る足音がした。

(まあまあこんな山の奥の、こんな夜中に幾人となく、人が通るとはどうしたことか)

こう思いながら不安だったので、早瀬はまたも木立の蔭へかくれた。

現われたのは女であった。

そう、それは浮藻であった。

髪は乱れ、衣裳も乱れ、歩き方も乱れていた。

心も乱れているのであった。

(小次郎様がおいでになる。その小次郎様をわたしの手から、お姉様は取り上げようとなさる。……小次郎様にお逢いして、わたしの心をうちあけて、小次郎様のお心を聞いて、……死ぬとも、生きるとも、他国へ走るとも! ……何を置いても小次郎様へ、お姉様より先に逢わなければ! ……)

で、脱け出して来たのであった。

風見の袈裟太郎につれられて、やって来る小次郎を途中に要して、逢おうと思う一心から、館を脱け出して来たのであった。

と、その前へ木蔭から、異様の女が走り出して来た。