Classiques japonais avec furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lisez あさひの鎧 (あさひのよろい) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 520 caractères · 475 écrans
その時あわただしく若侍が、襖を開けてはいって来た。
「大塔宮様ご使者と申して、片岡八郎と矢田彦七とが……」
「おお参ったか!」
と荘司は云い、
「上げてはならぬ、玄関まで導け!」
――一旦引き下がった若侍が、再度部屋へはいって来た。
「仰せに従い両人の者を、玄関までつれましてござります」
「よし」
と荘司は立ち上がった。
玉置の荘司の館の玄関に、片岡八郎と矢田彦七とは四辺に心をくばりながら、荘司のあらわれるのを待っていた。
と、毛深い五十男が、太刀をひっさげてあらわれた。
「…………」
それは玉置の荘司であったが、無礼にも無言で睨んだままでいた。
八郎と彦七とは顔を見合わせたが、
「当館のご主人でござるかな?」
と、怒りを忍んで八郎が訊いた。
「さよう」
と荘司は答えたままで、依然後は無言でいた。
「われらは大塔宮様の家臣でござって、片岡八郎、矢田彦七と申す。……今度宮家には念願ござって、吉野大峯山へご入峯あらせられまする。……しかるに当地には新関あって、往来の人々を止どむるとのこと。……勿体なくも我らご先達は、主上の御皇子にましませば、仔細あるべき筈なけれど、しかし一応存意を尋ねんと……」