Classiques japonais avec furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lisez あさひの鎧 (あさひのよろい) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 520 caractères · 475 écrans
この六波羅の探題は、京都及び畿内近国、関西諸国一般の政務と、軍事とをつかさどる重職で、その威権の重いことは、鎌倉の執権につぐほどであり、必ず北条氏一族に限って、任ぜられることになっていた。
この時の探題は北条範貞で、いま甲胄に身を固め、侍所の奥に控えていた。
左右に居流れたは検断所の司、評定衆、問注所の司、引付衆、越訴奉行、祗候人の人々で、同じくいずれも武装していた。
大庭は雑沓そのものであった。
三鱗の定紋の大幔幕を、三方一面に引きまわし、大篝火でそれを照らし、板盾、竹盾で四方を固め長柄、薙刀で警護した中を、行く人々来る人々、ことごとく甲胄で身を鎧っていた。
聞こえるものは馬の嘶き、武器の触れ合って立てる音、怒声、制止声、撃柝の音。輝くものは抜き身の刃。
中央の床几に腰うちかけ、到着を告ぐる人々に、いちいち会釈をしている者は、斎藤太郎左衛門利行で、その傍らに引き添っているのは、土岐蔵人頼春であった。
小桜縅の胴丸に、五枚兜をわざと外し、丸鞘太刀を佩いている彼は、裏切りをした罪悪に、良心苦痛を覚えると見え、顔色蒼ざめ唇ふるえ、視線定まらずただあちこちと、狐つきかのように見廻していた。