Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans

Aozora Bunko

十四の二

五十がらみの貧相な男で、癇性というのだろうか、首が少し左へ曲っていて、早くちに話しながら、その首を絶えず振る癖があった。

「栄二っていうそうだな、いい眼だ、その眼はいい、気にいった」と茂三郎はせかせかと云った、「仕事がつかえてるのに手がたりなくって困ってるんだ、しっかり頼むよ」

こっちもよろしく、と栄二は頭をさげた。

十四の二

下谷の家は、坂本二丁目の横丁にある二戸建てで、隣りには増六という、中年の夫婦が住んでいた。間取りは六帖ふた間に、八帖ほどの板の間。勝手に厠が付いていた。井戸はすぐ裏で、勝手には造りつけのへっついがあり、手桶から水瓶、鍋釜まで揃っていた。――さぶは戸納をあけて、新しいふた組の蒲団をみせ、ひと組はおすえが作って来たものだと説明した。そのふた組は唐草の油単に包んであり、べつのところに、もうひと組の蒲団があった。

「これがおらのさ」とさぶは云った、「栄さんたちのには手もつけなかったよ、おすえちゃんが来たら、おらあべつになるからな」

「べつになるって」

「この間取りで三人はむりだ、そう思ったから金杉町のもとの長屋に手が打ってあるんだ」

なぜそんなむだなことをした、これで充分じゃあないか、そう云おうとしたが、栄二は口には出さなかった。