Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans
「けれども仕事がない、っていうのね」
「そればかりじゃあない」栄二は片方の眉をくっとあげて云った、「――女房に稼がせるようになったら、男はそれでおしまいだっていう、人から聞いただけではなく、現におれのこの眼で幾たびも見たことがあるんだ、女房に稼がせるようになっては、本当に男はもうおしまいなんだ」
「ずいぶんな思いあがりね」
栄二はおどろいたようにおのぶを見た。おのぶの声が急に冷たく、皮肉な調子に変ったからだ。
「栄さんの負けず嫌いはいいけれど、そんな思いあがりは大嫌いよ」と云っておのぶは栄二を睨んだ、「夫婦になれば一心同躰とさえいうじゃないの、女房が稼げば男はだめになるなんて、それは男が稼いで女を養ってやる、っていう思いあがった考えよ、亭主が仕事にあぶれたとき、女房が稼いでどうして悪いの、男だって女だっておんなじ人間じゃないの、この世で男だけがえらいわけじゃないのよ」
「のぶ公は話を脇へそらしてるんだ」
「あたしも飲むわ」おのぶは立ちあがった。
そのとき客がはいって来、小女のお松が「お帰んなさい」と云って、腰掛の一つへ案内した。自分の盃と、燗徳利を持って戻ったおのぶも、その客を見ると明るく頬笑んで「あら、お帰んなさい」