Classiques japonais avec furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lisez 丹下左膳 (たんげさぜん) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 241 861 caractères · 480 écrans
「そこで、御両所、こけ猿のことは、心配するな。そのうちにおれが、大岡のところへ持ってきてやる」
と言いました。
前にも一、二度、三人で相談して、なんとかしてあの壺を、こっちの手に入れなければならないと、話をきめたことがあるんです。
それは、この愚楽老人、城中では常に将軍家拝領の葵の紋つきを、ひきずるように着て、なんかといえばすぐ、背中の瘤にきせたそのあおいの紋をつきだし、これが見えぬかと威張っている。
上様のほかに、葵の紋のついたお羽織を着ているのは、愚楽一人ですから、みんな、ソレお羽織が来たといって、誰も愚楽のそばへ寄る者はない。
いつか……。
元禄の赤穂事件で有名な、あの松の廊下で。
愚楽老人、ちょうどすれちがったこの大岡忠相が、その長い羽織の裾を、踏みもしないのに踏んだと、わざと言いがかりをつけて、人眼をごまかして大岡様を別室へひきいれ、そこでこの壺に関して篤と密談をしたことがあります。
あの晩も、さっそく、泰軒をまじえて三人、ところも同じ今のこの座敷で、いろいろと策をねった。
で、その結果。
泰軒がひそかに壺の移動に眼をつけることになって、ああして、当時まだ吾妻橋下の河原に小屋をむすんでいた左膳のもとへ、泰軒が橋の上から矢文をはなち、それによって左膳も、壺ののむ柳生の埋宝の秘密をはじめて知ったという