Classiques japonais avec furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lisez 丹下左膳 (たんげさぜん) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 340 187 caractères · 666 écrans
しかし、源の字は当てにならず、おれとともにたった五名の同勢か。ウム! それもかえっておもしろかろう! おれにはコレ、まだ乾雲という大の味方があるからな……」
ひとり述懐を洩らしつつ左膳、みずからを励ますもののごとく、タッ! と陣太刀赤銅の柄をたたいたとき、
「チェッ! よくあきずに降りゃアがる!」母屋から傘もなしに、はんてんをスッポリかぶって、ころがるようにとびこんで来たのは、ひさしぶりにつづみの与吉だ。
降りこめられて、しょうことなしに離室いっぱいに雑魚寝している月輪の残党四人をのぞきながら、
「ヒャッ! 河岸にまぐろが着いたところですね」
と相変わらず、江戸ぶりに口の多い与の公、はじめて気がついたように左膳に挨拶して、
「お! 殿様、そこにおいででしたか、注進注進」
「なんだ?」
「なんだ、は心細い! いやに落ち着いていらっしゃいますね……ハテどうかなさいましたか。お顔のいろがよくないようですが――」
「何をいやアがる!」左膳は相手にしない。「てめえもあんまり面の色のいいほうじゃアあるめえ。儲けばなしもないと見えるな」
「ところが殿様! 丹下の殿様! ヘヘヘヘヘ、ちょいと……」