Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

唇のない男

唇のない男

恋人達のこの不吉な予感は、不幸にして、間もなく適中する時が来た。全く想像さえしなかった恐ろしい事件が起った。

岡田道彦が怪写真を残して立去ってから、半月ほどたったある日(彼はその間一度も鹽原へ帰って来なかった)三谷や倭文子の泊っている同じ宿へ、世にも奇怪な一人物が投宿した。

椿事というのは、まるでその人物が悪魔のつかわしめででもあった様に、彼が宿についた丁度その日に突発したのだ。偶然の一致には相違ない。だが、何かしら異様な因縁を感じないではいられぬ。

その人物は、後々まで、この物語に重大な関係を持っているので、ここにやや詳しくその風を記しておく必要がある。

紅葉が色づき始め、遊山客も日毎にふえて行く季節なのに、その日は、しょぼしょぼ雨が降っていたせいもあるが、魔日とでもいうのか、鹽の湯A館には、妙に客の少い日であった。

夕方になって、やっと一台、貸切自動車が玄関に横づけになった。

中から、一寸見たのでは、六十歳以上の、ヨボヨボの爺さんが、運転手の腕にすがって降りて来た。

「なるべく近所に客のない部屋へね」

老人はフガフガと鼻へ抜ける、不明瞭な声で、ぶっきら棒にいって、敷台を上った。